VRChatが見せた「VRソーシャル」の今後について
VRChatterとしてLavenderVRに入ってみるというクロスVRSNS体験をしてみて雑に思ったことがあるので書いてみる。
VRSNS体験の普遍性
VRChatの提供した極めて自由度の高いVRSNS体験というのはかなり普遍的というか、もはやWebブラウザをずっと開いてブラウジングしているという体感に近いものがある。
その中に拙いとはいえ談話室もたばこ部屋も飲み屋もキャバクラも自宅も別荘も神社も廃墟も将棋も囲碁もオセロも麻雀もマイクラもBeatSaverも動画プレイヤーも鉄道も幼稚園も遊園地もサーキットも展示会も恋愛も結婚式もポルノもラブホもある。
もはやそこが「世界」であり、ブラウザで見る「インターネット」の体感と極めて近い(粗雑なUGCが乱立していて収益化がむずかしい点も含めて)。 特定タスクしかできないほかの特定VRコンテンツとはわけが違う。
「どのVRSNSプラットフォームを選ぶか?」
「どのVRゲームをやるか?」という問いは大体これまでの非VRゲームについて「どのゲームをやるか?」と問われるのとほぼ同じ体感だ。 しかし「どのVRSNSプラットフォームを選ぶか?」という問いはそれとは決定的に異なる。
VRChatが提供したVRSNS体験とはすなわちインターネットブラウジングの体験なので、「どのVRSNSプラットフォームを選ぶか?」という問いは「どの草の根BBS(クローズドネットワーク)に繋ぐか?」と問われているようなものになるわけだ。 その中には「世界」があるのに、どの「世界」を選ぶか?と問われるわけである。
パソコン通信ではなくインターネットを知っている我々としては、VRChatクライアントもLavenderVRクライアントもambrクライアントも、分断なく同じ「世界」をインターネットブラウジングできる単なる「ブラウザ」であってほしい。 それぞれで動くものが違うというのはこの際しょうがないので、せめて「IEとFirefox、どっちのブラウザを選ぶ?」になってほしい。
そういう意味ではまさに実際のインターネットブラウザメーカーが推進している「Mozilla Hubs」などの取り組みなどが実を結んでほしいが、ブラウザでVRを見るというよりはブラウザはVRの中ではいちアプリケーションになるので、どう進むのかという方向性はなかなか難しそうだと思う。
VRM界隈が進めているTHE SEED ONLINEなども割とその辺を見据えているとしたらうれしいなといったところだ。海外なら認知がないのでしょうがないが、日本発のプラットフォームならもし対応しない場合はもはや速やかに衰退してほしい(あるいは同じようなベターなものを作ってほしい)という感覚さえある。
ちなみにこれは実際にAlt VRChatになる可能性が感じられたLavenderVRが出てきて感じたことだ。(アバターやワールドの移行がめんどいのなんの。これがVRM界隈の規格(アバター、ワールド、Prop)に対応してくれるとだいぶ楽になる気がするのだか……。)
VRSNSがブラウザ体験になるためには
さて、では今現在分断されたクローズド(ソーシャル)ネットワークを閲覧するVRChatクライアントとLavenderVRクライアントとambrクライアントで「インター(ソーシャル)ネットブラウジング体験」をするにはどうなるべきか?
ブラウザが、あるいはそもそもPCが快適に使えるのは、違うコンテンツを見るときに、「マウスカーソル」と「キーボード入力」が同じように使えるからだ。
当たり前のことかもしれないが、現在VRSNSアプリ相互では「「マウスカーソル」と「キーボード入力」が同じように使えること」に相当することができないのだ。
「マウスカーソル」と「キーボード入力」は非VRにおける身体性だ。「それがあれば行動(の入力)に不自由しない」電子空間内のツールセットなのだ。(CUIならマウスカーソルがいらない等のマイナーチェンジはありつつ、それもその状況での身体性だ。)
VRにおいては、この身体性は恐らく「アバター」と「持ち物」(Prop)になる。非VRにおける身体性が物理的には「手」のみのものであったところから拡大し、全身の没入になるのにあわせた別のツールセットになるわけだ。
つまりVRSNSを人間として快適に使うためには、これらの相互運用が必要となる。
そしてその「アバター」と「持ち物」という身体性を相互運用する担い手は、「マウスカーソル」と「キーボード入力」と同様に、「OS」であるべきだ。
これをOSがハンドリングしてくれれば、個別のVRアプリケーションはつまるところ、onClick(onInteract)をハンドルしてハイパーリンク(ポータル)で別のページ(ワールド)へ遷移すれば良いだけになる。
ハイパーリンクを叩く際にインテントが飛んで別のアプリが開くかもしれないが、それはスムーズに感じられるだろう。身体性が連続しているのだから。
VR元年はMicrosoftが腰を上げてから
というわけで本当のVRネイティブ体験はつまるところ、WindowsにVR対応がついてからが本番となると思う。
OSのメーカーであってかつVRをOSの体験そのものに組み込む実験をしているのは、現在の所Windows MRなどでウインドウをVRネイティブで扱おうという試みをしているWindowsだけだ。
ブレイクスルーはきっとまだまだ先だと思うが、アバターを自然とOSに預ける時代はきっと来るだろう。
それを見据えて、今現在だけでなくこれからのVRの様々な相互運用フォーマットなどが発展していくことを願う。
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