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奈良阪という人のなにか

バーチャルマーケット3の雑な感想 - 改善点と新たな課題

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どうも、密かにVケットおよび落マケを応援しているVRChat Profile運営のnarazakaです。

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今日が平日だと勘違いして昨日時点で残ってた7ワールドくらいを1ワールド30分くらいの一人RTAで全ワールドまわりきっちゃったので、せっかくだから雑に感想書きますね。

なおバーチャルマーケット3の概論的感想についてはバーチャルマーケットウォッチャーたましこさん(そんな肩書きはない)が書いた以下のエントリがいい感じにまとまってて良いのでおすすめです。 note.mu

以下は上記と同じく良かった&悪かった混在する感じで、1ユーザーとしてのもっと雑然とした感想になります。 Vケット2の終わりにもった感想と、Vケット3開催告知~開催まで順を追って感想を書いていきます。

Vケット2

前回Vケット2はいろいろなアバターなどに触れることができる楽しいイベントでした。

特に試着ができるという体験がアバター購入の判断材料として非常に有益で良かったですね。 この一点の良さが凄かったので、こういう一種の祭典的な形でなくても恒常的に販売アバターの試着ができる仕組みが現れないもんかなあと思ったほどです

またVRChat Profileはクラファンの広告枠を買ってFuture Terminalに広告を載せることができました。 特に収益化の予定とかはないので流入がどのくらいかとかまじめに計ってはいないんですが、「自分の作った物の広告を往来に出す」というはじめての体験ができたのは貴重だったと思います。ありがとうございました。

で、全体的に良かったんですが、その中で出てきた不満はざっくりこんな感じでした。数多いですが別に叩いているとかではなく、次回改善されないかなぁ~~~という感じで思ったやつです。

  • private大量発生問題 ほとんどのフレンドがprivateワールドにいてコミュニティが分断されている感が半端じゃなくかなりつらかった。inviteなので誰にrequest飛ばしていいのかさえ分からずコミュニケーションがつらかった。基本的にこれが最大の苦痛要因だった感じ。
    • エントランス以外のワールドがprivateワールドだったため、便利な据え置きポータル経由だとprivateインスタンスになってしまう。ポータルにおけるVRChatの仕様制約が悪い方へ出てしまった感じ。
  • ワールド広くて合流がつらい 加えてワールドが結構広いので、やっとjoinしたとしても合流にやや苦労した。
  • 販売場所わからない問題 情報を書いていないブースが多く、検索に苦労した。
    • 販売の機会自ら逃してるとか信じられないのだけど、基本的に素人販売の同人活動なのだし「売るために最低限こうしよう」があった方がいいのかもと思った。
    • ブラウザ連携できないのは大きなネックだと思った。QRCodeListerer ありがとう。
  • 落とした新刊の行方が分からない問題 間に合わなかった販売物を追跡することを想定していない事例が購入者販売者双方に不利益。
    • 販売間に合わなくてもboothでプレースホルダーを作っておいてほしい。他人に勧めるときも参照先がないのはつらい。いいねして備えるからさ……。
  • ワールドの出来 ワールドによる出来の差が激しく、展示場として回りづらい・また特に重いワールドがあった。
    • バーチャルミュージアムは回りづらい&特定方向を向くと激重の二重苦で厳しいワールドだった。アートとしてはまあまあいいけど展示場デザインとしては完全に失敗している感じ。特に動線は当時半年プレイしてVRChat慣れしていた自分でもかなり戸惑ったので、初心者はどれほどだっただろうか……。
    • モクリバザールも段差のせいか微妙に回りづらかったが全貌がなんとなく見られるのはよさげだった。ポータルが分かりづらい謎の場所にあったのはよくわからなかったが、まあ使うの必須でもないしいいのかも。
    • 円形一方通行順路をとっていたFuture Terminalと絢爛博覧会は、回りやすく特別重くもなく世界観もいい感じで、展示場として申し分なく良かった。
    • 異世界マルシェは展示場として回りやすいばかりでなく、ワールド単体としても魅力あふれる出色のできばえで素晴らしいワールドだった。たとえ展示物が存在しなかったとしても人気ワールドになる感じあるし、なんなら実際Vケット期間外でもたまに行っている人を見かけたほど。

以上諸々の感想がありましたが、全体的に色々つらいところがでている原因として、そもそもこのイベント自体VRChatの機能を超えたものを本来必要としていて、それがない中で正直かなり無理して開催している故のものなんだろうなあという、つまるところ「しょうがない」面が多いようには感じてました。

Vケット3が開催される!ブース出展しよう!

とはいえそういうのが次回は改善されてるといいなあと思って期待を寄せていた中で、Vケット3の開催が告知されました。

しかしなんでも抽選制になるとのことで、自分も勇んでブース応募しましたが、あえなく落選してしまいました。。。

コミックマーケットの勢なので落選は慣れてるとはいえ、Vケットはまだ3回目という非常に若いイベント。一回一回がいわば伝説になるフェーズなので、「また次回狙えばいいか」という感じになるコミケより結構衝撃があったというか、体感は思ったより悪かったですね……。

「当選したのに頒布物落としたやつ絶対許さんからな」とか「抽選に作為がある」みたいな吹き上がり方をしている人も結構いて藻前らおちつけという感じではあったんですが、その後Vケット運営もここの衝撃の程度を見誤っていたのか細かい言動で落選勢の神経逆撫でしてた印象はあったので、次回は上手く期待値コントロールしてくれという気持ちになりました。

まあただそこで「落選者」が出たために落選マーケットが開催されたり、その他諸々の小規模展示会風味イベントがVケット運営と無関係に開催されたのは良い傾向だと思います。

一種の祭典的な形でなくても恒常的に販売アバターの試着ができる仕組みが現れないもんかなあ

と思ったあたりがなんとなく実現されてきてる感じで、今後もこの流れが定着してくれるといいなあと思います。

もう幾つ寝るとVケット

そんで落選のあとうだうだしているうちに、落選マーケットにも応募忘れたり、Vケットのクラファンで音速で広告枠が売り切れてVRChat Profileの広告が出せなかったりしました(動く城に乗っけるプランはのこってたけど、そこじゃないなあと思ったので……)。

そもそも広告枠数もっと増えてほしさはあるんですが、会場見ると実際こんなもんが限界ではあるよなあといったところで、難しいところです。

結局VRChat Profileは宣伝画像仕込んだアバターでpublicエントランスにたたずんで野良告知したりしてます。みんな使ってね。

そんな広告枠が埋まって後の祭りの中、続々と企業のスポンサーが発表されてゆき営業凄いなと思いつつ……。

またVケット主催の動く城のフィオさんがプチ炎上してたりそれを運営の他の人が擁護してたけどいまいち微妙な感じだったりがありつつ……。

炎上したフィオさん自身がそもそもが万人受けはしないかなりピーキーな趣味の人なのにも関わらずこういうVRイベントの代表的立ち位置を選んでるのは多分覚悟完了しているからだと思うんでそれはまあ良いんだけど、周辺はそれのサポートするならちゃんと上手いこと立ち回ってほしいなと思いつつ……。

バーチャル性生活という概念は必ず破壊されねばならないと思いつつ……。

名文です otagon.hatenablog.com

Vケットがとうとう開催されました。

Vケット3RTA

全16+1ワールドの広大な会場。

開場1時間後の12時あたりから回り始めて早々にこれ1日で回るのは無理だと悟る圧倒的規模感のVRの祭典が始まりました。

そんな毎回拡大する難しいフェーズのイベントでありながら前回比でしっかりと改善されてきており流石だなといった印象です。

  • private大量発生問題 全てのワールドをpublicとすることで自然解消。
    • 前回はエントランスにまとめていた企業ブースを各ワールドに分散することでエントランス通過必須ではなくなり、結果全部publicにできたっぽい。
    • 企業数が増えた故分散したら結果的にそうなったのか、全public化を見越して分散する前提で企業数増やしたのかは分からないけど、どちらにせよGJ。
    • publicは荒れてイヤだという意見はあるようだけど、publicを愛せよ民の自分としては理想的で無問題。むしろ前回どこにでも行けた移動ポータルが今回機能縮減して限定的になったのは、自分で好きにフレプラとかでポータル立てろっていう暗黙的な誘導だと思う。バランスもとれててえらい。
  • ワールド広くて合流がつらい フレンドのとこにワープできる画期的機能の実現により解消。最高。
    • VケットでVRChat技術革新が起こって、かつそれがシェアされるのは実に喜ばしい。
    • というかむしろ今回のメニュー正直標準SDKに突っ込んでほしいレベル。ユーザー名も表示できてほしいし。VRChat運営と連絡取れてるなら実現できないもんだろうか……。
  • 販売場所わからない問題 相変わらずブースとしては不親切なとこは多いのだけど、ブラウザ連携を取り付けたのでほぼ完全に無問題になった。マジでGJ。
    • 一般的にはセキュリティ問題がある中、企業間交渉だからこその信用って感じはある。他の即売会系でも気軽に採用できるようになるといいが……。
  • 落とした新刊の行方が分からない問題 これは販売側の話なのであまり変わってはないのだが、Vケットでカタログという仕組みを1段かますことで前よりはなんとかできるようになった気がする。
    • 改めて、販売間に合わなくてもboothでプレースホルダーを作っておいてほしい。他人に勧めるときも参照先がないのはつらい。いいねして備えるからさ……。
  • ワールドの出来 前回よりベースラインが明らかに改善してるし、むしろより完成度の高いワールドが増えてて凄かった。さらばバーチャルミュージアム
    • ネオ渋谷 最高傑作。こういうの。こういうのだよ。夢に見たVR空間って。

      BGMも良く雰囲気に調和していて、そこかしこにあるPanasonicのディスプレイが現実とVRの交錯を感じさせるのも相まって、とにかくVR渋谷としてこれ以上なく素晴らしかった。

      路面電車・ロープウェイ・山手線と、過去と現在を象徴するローポリながらいいあんばいの鉄道要素が盛りだくさんで、鉄オタ的にもアガりまくりましたね。

      ちなみに外に出られないのがもどかしかったけど、夜バージョンにある「meiro宝石店」の店内階段から領域外に落ちることができるので、山手線の列車のそばまでいけます。バグ技っぽいので行きたい人はつぶされる前に行ってきてね。

      ただこれだけ鉄道要素が満載なワールドがあるのに、鉄道系出展がなかった(うちはそのつもりだったが落選した)のが痛恨の極みって感じはある。

      あとワールドとしてはアガりまくって素晴らしいのだけど、主役のはずの展示がワールドの強すぎる印象に完全に食われてる感じはあった。このワールドの主役はPanasonicだ。

    • 仮想工廠 前回も回りやすくて好感度は高かったが、The Hangarの巨大ロボット展示のおかげで異世界マルシェレベルに進化してきた。

      The Hangarの巨大ロボット展示と実際に上下するエレベーターが素晴らしい巨大ロボット体験を演出していて、展示ありきでありながら単体のワールドとしての魅力が最高潮。今後VRでロボ展示やるときはここをパクればまず間違いない。

      正直こういう完全にSFが眼前に現れるという事ができるので、巨大ロボットが好きな人々はかわいいアバターが好き勢とはちょっとレベルの違う至高の体験を得てるんだろうなあと思った。

    • 九龍帝国城下町 エモさ抜群の世界観と展示場としての調和が見事で完成度高い。

      参番街はパンクな中華世界観で雑然としているのに回りやすい、絶妙のバランス感。エレベーターも強いし、忘れ去られた神社もエモい。

      なんか最初行ったときオニャンコポンが静かにたたずんでて、これも展示か?と一瞬思ったら本人だった。最高。

      欠番街ではワールドの世界観表現の極まり方が凄いのに加えて、総じて展示ブース側が完全に「わかってる」作りをしてきており、ワールドと展示の調和がすさまじいエモもみを発揮していた。

      即売会という形式が半ばメタ的に作用した雑然感とワールドのテーマの親和性も相まって、ワールドとブースの調和という面においてはこれを超えるものはきっとないだろうと思えるレベル。ヤバすぎる。

    • Sky Island 全体的にトリッキーな移動が多く微妙に回りづらさを感じつつも、最も展示ブースそのものに集中できたワールドかもしれない。

      Mountainの地下、海中の上下動、森の外周などが特にやや困惑した箇所ではあるが、つらいってほどでもなかった。

      全体的にワールドが主張しないのでエモみはなかったけど展示会としてはオーソドックスでいい印象を受けた。

      ただあの「コーロコーロ」って鳴く生物うるさい……。

    • Pretty Pop Party 夢カワな世界観、3Dに落とせるんだ……という感動を覚えた。

      道がうねうねして見渡せない作りなのにもかかわらず、思い切ったファンシーな矢印がきちんと誘導してくれて迷わなかった。

      ここにあった展示の中では汽車風の合同展示ブースがまさに「それだよ!」って感じでめちゃめちゃ良かったですね……。

      Vividの下にいた野中藍が台詞しゃべった後やや謎にそのまま浮いてたり、PastelのVroid学園勢の「お菓子をもらう」がやや分かりづらかったりはしたけど、なかなか好感度の高いワールドでした。

      BGMがかなり好きだったPastelのほうが好み。

    • Castello Magica 今回で一番回りづらさを感じたのはここ。

      今回は前回の回りづらい的な批判の反省を踏まえてか、他のワールドがほとんどわかりやすい円形一方通行順路をとっていた中で、ここは左右対称配置かつワープ多用で「どこを回ったか分からない」になりがちだった気がする。

      あと声優アナウンスが(意図的になんだろうけど)過剰な中二病感を演出してくるのが個人的に合わなくて、正直クサく感じて微妙だった……。

      世界観は割と良い物を作ってた気がするんだけど、「どこを回ったっけ……」感とアナウンスの中二病感で気が散りがちで、いまいち出すべき魅力を出し切れていなかった気がする。

全体的にかなり改善されてて良かったんですが、一方で新たな違和感を感じた箇所もあります。

  • 企業の台頭 企業ブースが各ワールドに分散した結果、渋谷の主役がPanasonicになったり、あらゆるワールドにあるセブンイレブンやDMMが異世界感ではなく観光地感を出してきたり、思ったよりかなり影響有るなあと言う印象。
    • 特に渋谷は展示見ずにワールドを見てパナソニックの写真だけ撮って帰って満足しちゃう感じがある。あの素晴らしいワールドにブースを並べたいけど並びたくない……。
    • Castello Magicaとか仮想工廠にセブンあるの、自分はそれはそれで面白いからいいけど、普通に萎える人もいそう。
  • ワールドの我が強すぎて展示を食ってる 世界観がエモいのはいいとして、展示そのものが目立たないレベルになっているのはなかなか功罪あるなといったところ。
    • 特に展示が割とどうでもよくなってると感じた渋谷、ワールドそのものの体験が最高なだけにバランスって難しいなと考えさせられる。
    • ワールドと展示が渾然一体になっている欠番街、ワールドが展示物の魅力を引き出している仮想工廠とかは我が強いけど、あれはあれでピーキーながら一つの望ましい形っていう感じはする。
    • 「コーロコーロ」って鳴く生物はもうちょっと静かにしてくれ。

技術的な不満がほぼ解消された上で出てきたこれら2点の違和感は、公式文言通りの「バーチャル空間上展示即売会」への人々の期待と、運営の実際目指しているものに差分があって生まれている気がします。

バーチャルマーケット運営が目指す方向性は「バーチャル空間上展示即売会をやるぞ!」という感じではなく、「VRのとにかくすごい体験ができるイベントをやるぞ!」という感じに見えており、やや看板に偽りありというか、目指している趣旨がずれている気がしてるんですよね。

どういうものを目指すのかは自由なのでかまわないんですが、齟齬がいらぬ摩擦を生まないように正しく伝えてほしいなと思うところです。

そういうのも含めて、本業ちゃんと頑張ってるのに開催までしょうもないことでヘイト貯めてた感じあるので、いろいろな伝え方に気をつけてSNSを上手く活用してほしいですね……。ぶっちゃけ自分もなぜか今HIKKYにあまりいい印象持ってないんで……。

あと開催期間のせいで1人RTAすることになると、フレンドと回るよりは確実に楽しくないので、規模に対して開催期間の比率ももうちょっと多めにしてほしい気もします。どういう事情で期間が決まっているのか分からないとこあるんですが、拘束条件にそういったとこも加味してくれるといいな……。

他細かいところではバーチャルマーケット2のページ残しておいてくれないかな……と思いました。どっかにあるんですかね?

Vケット4、受かるといいな

まあそんなこんな色々感想ありましたが、Vケット3はVケット2より確実に全体として良くなっていると感じましたし、今後も改善しつつ次回Vケット4が開催されることを楽しみにしています。

できれば抽選しなくてもいい方法が開発されないもんかな……。 現状の「VRのとにかくすごい体験ができるイベント」的な方向性だと割とスケーラビリティに限界がある気がするので、順当に「バーチャル空間上展示即売会」に回帰するのが良さげなんじゃないかなあと思ったりしつつ……。

あと「バーチャル空間上展示即売会」を恐らくその文言通り遂行している「落選マーケット」や、VケットでQuestワールドが展示会っぽくなかったので展示会っぽいやつやろうぜって言う企画、その他野良の展示なども今後開催されるので、Vケットが終わってもまだまだVR即売会はアツい!

それらも含めてVケットがあって成し得たことだと思うので、今後もVケットを応援してゆこうと思います。

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Vケットを応援するVRChat Profile運営のnarazakaでした。(宣伝)

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